2011年10月 1日放送 菊地幸夫さん(第1757回)
会場 | 大富公民館(焼津市) |
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講師 | 弁護士 菊地幸夫 |
講師紹介 | 中央大学法学部卒業。元司法研修所刑事弁護教官。 |
会場 | 大富公民館(焼津市) |
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講師 | 弁護士 菊地幸夫 |
講師紹介 | 中央大学法学部卒業。元司法研修所刑事弁護教官。 |
長い人生を有意義に過ごすためには、体力の維持も大切です。
私は、トライアスロンをやっていますが、長い距離を泳ぎ、自転車をこぎ、
フルマラソンを走るにはそれなりの準備が必要です。
継続は力なりと言いますが、大きな成果を得るためには、
一日一日、練習を積み重ねることが重要で、しかも「ゆるい」練習ではなく、
ある程度、苦しさに耐えてこそ力が伸びます。
トライアスロンは、才能や素質だけで、うまくいくような世界ではありません。
誰しもつらいことは嫌ですが、やったあとに違う自分がある。
もう少しトレーニングをすれば、前回よりももう少しタイムが伸びるんじゃないか。
それで夜、家に帰って疲れているけど、ちょっとだけ走っておく。
そんなふうに少しずつ前進してゆく...。
今、「苦しいこと」や「根性もの」に振り向く人は少ないかもしれませんが、
もっと大きな人間になりたい、力量をアップさせたいと思えば、
そういう道を通ることも必要だと思います。
それは金メダルを取るような人だけではなく、
われわれのような一般のスポーツ好きの人間たちにも同じことが言えるのではないでしょうか。
トライアスロンは泳いだら自転車、そのあとは走るという、次のステップへの「ワクワク感」が魅力です。
それに、沖縄に行けば熱帯魚を見ながら泳ぎ、
自転車に乗って大海原を見、地元の人たちの声援を受けて走る。
半分はその土地を楽しんでいるのですね。
わざわざお金を払ってまで参加するのは、普段の生活では経験できない達成感を得られるからで、
苦しくてもそれを乗り越えたときには、翌日からの日常で、つらいことがあっても、
「あのレースの苦しさに比べれば大丈夫」という自信がわいてくるのです。
レースにはさまざまな人が参加します。
片足義足で私より早くゴールする人。
胸に大きな手術痕がある人。
皆それぞれの思いで、厳しいトレーニングを積み、強い自分に会いたくて参加しているのかもしれません。
たかがスポーツですが、人生の苦しみ、悲しみを乗り越えるための、
また、自分に輝きを与える機会としての効用があると思います。