2008年10月25日放送 下村健一さん(第1607回)
会場 | 島田市立島田第五小学校(島田市) |
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講師 | 市民メディアアドバイザー 下村健一 |
講師紹介 | 1960年東京都生まれ。 |
会場 | 島田市立島田第五小学校(島田市) |
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講師 | 市民メディアアドバイザー 下村健一 |
講師紹介 | 1960年東京都生まれ。 |
今日は私がTBS時代に取得した育児休暇の経験をお話します。もともと育児に対する意識は低かったのですが、妻の妊娠中に超音波検査で小さな命の塊を見た瞬間、ガラッと考え方が変わったのです。この小さな命が成長していく過程を間近で見届けたいと思い育児休暇取得を決意しました。
育児休暇が始まりまず痛感したことが、「休暇」と言うけど決してのんびりできるわけではなく「育児労働」だったということです。私は報道の最前線で働いていて、事件があればすぐに会社から呼び出されるのが当たり前でしたが、赤ちゃんと向き合うことはその比ではありません。夜中も落ち着いて寝ることもできず、女性の育児の辛さを思い知りました。
その反面、育児休暇は私に多くのものをもたらしてくれました。それまで仕事第一だった価値観を崩してくれたり、多くの物事を相対的に判断できる広い視野を持てるようになりました。また、会社と家の往復ではありえない地域社会とのつながりを持つこともできました。
最近では企業の育児休暇制度も整い、取得を考える男性も少なくないと思いますが、前例が無かったり、社内での立場を考えて断念する場合が多いのではないでしょうか。しかし育児休暇は女性の育児負担を軽減するだけではなく、私が体験したように男性自身が成長する貴重な機会でもあるのです。前例が無ければ皆さんがそうなればいいだけのことです。ぜひ子どもの成長を見届けられる限られた時間を大切にしてください。