【清水エスパルス】いざ富士山ダービーへ 芽生え始めた自覚 やることは変わらず自ら“仕掛ける”のみ

2024年04月07日(日)

地域芸能・スポーツ

清水エスパルス・秋葉忠宏 監督

第7節の山形戦に敗れたことで連勝が3でストップした清水エスパルス。ホームでの戦いとなる第8節の徳島戦をきっかけに再び上昇気流に乗りたいところだったが、後半終了間際にPKを献上。勝ち点2差で追っていた岡山が敗れる中で首位交代を逃した。

「勝負強さを追求」 J1復帰を目指して清水エスパルスが新シーズン始動 “秋葉イズム”が色濃く反映された陣容に

幸先よく先制も追加点奪えず最後に…

第7節で山形に敗れはしたものの、ここまでホームでは3戦全勝の清水エスパルス。

迎え撃つは監督解任に揺れる徳島だ。

秋葉監督は若手のホープ・千葉と西原の両選手を初めて先発で使い、さらにはトップ下に中村を起用。そして、センターバックにも高橋を今季初めて先発で出場させるという思い切った選択をした。

前半はエスパルスのペースで、開始5分に得たコーナーキックで山原が蹴ったボールを高橋が頭で叩きつけ、キーパーはかき出すのがやっとのところを中村が反応しシュート。ここは防がれるもブラガが押し込み、来日初ゴールで幸先よく先制した。

ただ、ゲーゲンプレスが思うようにはまり、幾度となくチャンスを作るも最終的に得点はこの1点に留まり、結果として終了間際のPKで同点に追いつかれることになる。

反省点は言うまでもなく追加点を獲れなかった部分であり、今回の先発陣は決定力にやや欠ける部分があった。

とはいえ、シーズンを通して毎試合同じ先発で戦えることなどありえず、そういう意味では特に若手を試合開始から使うことが出来たのは大きな収穫だ。

一方で、今季初めてピッチ外からゲームを見た蓮川は、最後にPKを献上したシーンについて「2023年のプレーオフからの課題である“味方のゴール前でスライディングをしない”ということが出来ていなかった」と冷静に指摘。

第8節はアウェイで甲府との富士山ダービーとなる。甲府はかつてエスパルスを率いた篠田監督が指揮を執り、2023年はリカルド前監督の解任につながった、ある種の因縁の相手だ。さらに言えば、今やエスパルスに欠くことの出来ない中村と蓮川が所属していたチームでもある。

しかし、岡山の結果次第では首位交代も望め、様々な縁と因縁が交錯する中でもやることは変わらない。

J1昇格という目標に向けて目先の状況に惑わされず、チームが目指す自分たちから“仕掛ける”姿勢を見せるだけだ。

秋葉監督「必ずこの経験がどこかで…」

-3連戦のうち2試合を終えた現在の選手たちの様子

清水エスパルス・秋葉忠宏 監督:
びっくりする。選手たちは試合後、自主的にやれることをしっかりやっていた。ケガ人も自分の想定より早めに帰って来てくれそうなのでありがたい。

誰が出ても勝ち点を拾えるチームにしたかったので引き分けたことに少し心残りはある。

でも、シーズン通して全員同じ選手で出来ることはまずないし、ここで特に若い選手をスタートから使うことができたので、必ずこの経験がどこかで生きてくると思う。

この先、古参の選手が「ケガから帰ってきました」で、若手がすぐ「レギュラーを渡すよ」となればチーム力は上がらない。若い選手には「俺が出るんだ」「先発は渡しませんよ」という気概やメンタリティを持ってほしい。

-徳島戦を振り返って

清水エスパルス・秋葉忠宏 監督:
反省点は追加点を獲れなかったところ。

コーチング・スタッフは守備の話を主にしていたが、どちらかというと奪ったボールを運ぶ技術やカウンターの精度など自分はオフェンスだと思った。危険なところにボールと人が入っていくシーンが少なかった。パスは外回しばかりになってしまった。あそこから常に縦へのパスを繰り出してバイタルエリアに攻め入る。相手にとって嫌なところに入っていけるよう改善して、もっとカウンターを仕掛けるようして欲しいと思っている。

ただ、セットプレーで迫力を持って相手ゴールに迫れたことは収穫。全員がその気になってやっていた。これをやり続けていきたい。

また、トップ下で中村が存在感を見せたことも、やれるだろうとは思っていたが期待通りだし、白崎のボランチもよかったのでおもしろい組み合わせが見つかって選択肢が増えた。タンキの存在感もわかった。もう少し早く使えばよかった。

-甲府は昨季1分1敗

清水エスパルス・秋葉忠宏 監督:
甲府は手堅いサッカーをしてくるチーム。のらりくらりしながらも大事なところはやらせない。チャンスと思ったら行くことを見極める目を持っている。手堅さと勝負強さを持っているチームだというイメージがあるので、それにお付き合いしないように。ボールを蹴ってくるが、つなぎもできるし、ACLも戦っていて早くチームが仕上がっている。勝負どころはわかっている。

アウェイだが我々から攻守に仕掛けていく姿勢で、危険なところに入って人とボールが動くサッカーができれば。リスクはあるがそれでないとおもしろくない。

今季はなかなかカウンターからゴールが獲れていない。セットプレー・クロス・カウンターという3大得点要素の精度を上げなければいけない。

-甲府の前線の外国人3選手の印象

清水エスパルス・秋葉忠宏 監督:
分散して出てくる。同時に出てくることはないし、タイプが違うのでそれぞれ対応したい。

ただ、総合的に見て我々の方が選手層は厚い。だから、その違いを見せられるように、それ以上の個の質だとかグループ・チームとしての違いを見せられるように。2023年は勝っていないだけにそこに勝てば成長を見せられる。今季2度目の3連戦を締めくくるゲーム。幸いなことに勝ち点16という優勝ペースの勝ち点を持っているので、ここで勝てると1つ抜け出られる。前の引き分けと合わせ勝ち点4となるよう総力を尽くしたい。

ブラガ選手「勝利に向けて…」

清水エスパルス・ルーカス ブラガ選手

清水エスパルス・ルーカス ブラガ選手:
来日初得点をホームスタジアムで決められて一生忘れられないとても嬉しいゴールになった。ホームスタジアムのサポーターからは12人目の選手として力をもらっている。

得点後ベンチに走ったのは、日本に来て順応するのに監督・選手に力をもらったのでお礼のつもりだった。コンディションは相応に良くなっていて今90%位。もっと上げたい。徳島戦は前半でもう1点決めていれば自分たちのゲームになった。

初めての海外生活だが、スタッフやカルリーニョスからサポートをもらっている。とくにカルリーニョスは、来日前からSNSを通じてメッセージ交換し、日々サポートをもらう大事な存在。

今、左右のミットフィルダーをやっているが自分からの希望はない。どこでも、どんな状況でも柔軟性を持って対応できている。暖かくなればもっとコンディションが上がる。勝利に向けて出来るだけよい結果を目指したい。

蓮川選手「内容より勝ち点3を」

清水エスパルス・蓮川壮大 選手

清水エスパルス・蓮川壮大 選手:
左膝を少し痛め徳島戦は休んだが次の試合は問題ない。選ばれれば全力で挑む。徳島戦は引き分けで勝ち点2を失ったという見方もあるが、テンポよくボールを回すことも出来たし、良いところもあった。

ただ、PKを与えたことについて、2023年のプレーオフからの課題として味方ゴール前でスライディングをしないということが出来なかったので、今日の練習でも反省点としてチームとして認識した。

エスパルスの試合を外から見るのは初めてだったが、チームの良さと悪さの両方が見え、相手に合わせてはいけないとわかった。客観的にいろんな視点からエスパルスを感じられたので、プラスの結果につなげられるように活かしたい。

甲府は篠田監督の勝つサッカー。カウンターが早く背後を利用してくる。個人で負けないことも大事。リスク管理をして、高い位置でボールを奪うことが肝心。

外国人に警戒が必要だが、宮崎選手など日本人にもいい選手がいる。お世話になったチームだが、今はエスパルスの一員。甲府だからと意識せず、一戦一戦をしっかり戦いたい。現状、悲観する成績ではない。3連戦の締めくくりとして内容より勝ち点3を奪える試合にしたい。

(テレビ静岡 報道部スポーツ班・外岡哲)

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