いざ知事選へ…争点は? 4期15年務めた川勝知事が退職届を提出 投開票は5月26日の見通し 静岡

2024年04月10日(水)

地域ビジネス(政治・経済)

静岡県庁

静岡県の川勝平太 知事が退職届を提出した。これにより次の舵取り役を決める知事選が5月26日にも行われる公算が大きくなっている。リニア中央新幹線をめぐる是非が争点になるとの声も聞こえてくるが本当にそうなのだろうか?

【速報】川勝知事が退職届を提出…当初は6月議会での辞職を希望も前倒し 知事選への立候補は否定

退職届を提出…15年ぶりにトップ交代へ

4月10日。

川勝知事が県議会の中沢公彦 議長に退職届を提出し、受理された。

これにより5月9日いっぱいをもって自動失職することとなる。

2009年の初当選以来、4期15年にわたって県の舵取り役を担ってきた川勝知事は、自身の辞職に伴う知事選に立候補しない考えを明らかにしていて、15年ぶりに新たなリーダーが誕生するのは確実な情勢だ。

失言からの釈明…からの辞意表明

そもそも、川勝知事がなぜ辞職するに至ったかと言えば自身の“失言”に起因する。

川勝知事は4月1日に行われた県庁の入庁式で、新規採用職員を前に「実は県庁というのは別の言葉で言うとシンクタンク。毎日、毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりとかということと違って、基本的にみなさんは頭脳・知性の高い方。ですから、それを磨く必要がある」と訓示。

これが職業差別に当たるとの批判が高まると、翌2日に「職種が違うということを言っただけ」と釈明しつつ、突如として辞意を表明した。

失言が辞意の一端も最大の理由は…

しかし、川勝知事によれば今回の不適切発言は辞職を決めた理由の一端に過ぎず、最も大きな要因はリニア中央新幹線だったという。

リニア中央新幹線をめぐっては、JR東海が3月29日に2027年の開業断念を発表していて、この点について川勝知事は「大きな区切りを迎えた。リニアの問題が大きく動いた。仕事が一段落した」と、あたかも建設に反対していたと言わんばかりの持論を展開。

それ故に、リニア中央新幹線に対する是非が知事選の争点になるとの見方もある。

リニア問題は大きな争点にならず?

ただ、“本心”がどこにあったのかは別として、リニア中央新幹線をめぐる問題が大きくクローズアップされた前回の知事選(2021年)で、川勝知事は建設の推進や静岡工区に関わる問題の解決を標榜。

そして、“62万人の命の水を守る”を錦の御旗に掲げ、95万7000を超す票を獲得して4選を果たした。
(後に県議会で大井川広域水道企業団から受水している人口は約27万人しかいないことが明らかになっている)

一方、この時の選挙で敗れた対立候補もリニア中央新幹線の推進と環境保全の両立を訴えていて、計画や建設に反対する候補は立候補していない。

つまり、リニア中央新幹線の是非そのものは何ら争点になっておらず、大井川の水問題をはじめとする環境保全と建設の両立について、県民が“解決”を委ねた相手が川勝知事だったということになる。

あれから約3年。

品川・名古屋間の各工区では工期に遅れが生じている箇所がありつつも工事が進み、静岡工区においても水資源や生物に関わる問題について国の有識者会議の報告書がまとまり、JR東海が示した対応策や保全策が着実に実行されているのかを監視・指導する段階に移行しつつある。

ましてや、静岡県は2年前にリニア中央新幹線建設促進期成同盟会にも加盟している。

その意味で、この段階でリニア中央新幹線に対する是非自体が大きな争点となることはないだろう。

静岡でも深刻な人口減少問題

それよりも静岡が抱える大きな課題は人口減少だ。

これは静岡に限った話ではなく全国的な問題でもあるが、県の統計を見てみると川勝知事が就任した2009年10月1日には378万2596人いると推計されていた人口は2024年3月1日時点で354万1951人まで落ち込んでいる。

県内に35ある市町の中で3番目に人口の多い富士市が24万734人(2024年3月1日時点の推計値)であることから、これに匹敵する数の人がわずか15年の間に減ったと考えれば衝撃的だ。

確かに川勝知事は経済学者でありながら、文化施策や芸術振興に力を入れてきた。

温暖な気候で知られる静岡県は東海道新幹線の駅が6つもあるほか、東名高速道路、さらには新東名高速道路も走っていて首都圏とのアクセスも良く、立地条件に恵まれているだけに再興のきっかけをつかめるのか?それとも今後ますます衰退の一途をたどってしまうのか…。

知事選に立候補する候補者がどのような政策を打ち出すのか注目される。

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