2011年1月15日放送 神谷明さん(第1721回)
- 会場
- 焼津市立港中学校
- 講師
- 声優 神谷明
講師紹介
1946年生まれ。
代表作は「キン肉マン」のキン肉マン、「北斗の拳」のケンシローなど。
現在は日本工学院専門学校の声優・俳優科で専任講師を務める傍ら、
ナレーション等でも活躍。
第1721回「夢を叶えるために」
私は高校卒業後、サラリーマンをしながらアマチュア劇団に在籍していました。
芝居が下手だとか背が低いだとか言われていましたが、
その後プロの劇団に入ったことで声優の道が開けました。
その劇団は、井上ひさしさんが座付き作家として活躍していた「テアトル・エコー」です。
その頃、劇団の先輩達は生活の手段として、テレビや映画で声優の仕事もしていました。
「ひょっこりひょうたん島」のトラヒゲ役の熊倉一雄さんなど、そうそうたる方々が、
芝居の傍ら声優として実績をあげていました。
その先輩達の敷いたレールに乗せて頂いたお陰で、今の私があります。
「夢を持ちなさい。持ち続ければ夢は叶う」とよく言われますが、
夢を叶えようと思った時、一番考えなければならないのが現実です。
例えば、声の小さい人が声優を目指すには、声が小さいという現実があります。
その現実をしっかり踏まえて、克服していくことで、一歩一歩夢に近づくことができるのです。
夢の途中には、苦手なこと、難しい事にも直面します。逃げ出したくなりますが、
目の前に課題が見つかったわけですから、一つ一つ克服していかなければ、夢に近づけません。
私が声優として今も仕事ができるのは、基礎を大切にしてきたからだと思っています。
声優としての基礎は、発声練習など単調なものの繰り返しです。
つまらないし、やっていても飽きてしまうし、結果が見えないという人もいますが、
夢を叶えるには「飽きず、焦らず、諦めず」。経験が教えてくれた言葉です。