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過去の放送

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2017年4月23日放送 川村妙慶さん(第2030回)

会場
沼津市第一地区センター(沼津市)
講師
僧侶・アナウンサー 川村妙慶

講師紹介

福岡県生まれ。真宗大谷派僧侶。
関西を中心にラジオ番組のパーソナリティーなどをつとめる。
ホームページで日替わり法話を毎日更新し、
メールでの悩み相談にも応じている。

番組で紹介した本

「持たない暮らしのすすめ」 本当の幸せを得るための人生の法則 著者:川村妙慶(海竜社)

ポイント第2030回「五つの眼」

お釈迦さまの教えの中に大無量寿経というものがあり、

そこには5つの眼があるとされています。

1つ目は肉眼(にくげん)で、外の状況を見ることを言います。

しかし、人間の眼というのは実はいい加減で、

自分の家の茶碗の柄を問われて、すぐさまデッサンできる人はまれです。

信号の右側は青ですか赤ですかと問われても

どっちなのかあいまいなことが多いでしょう。

これを仏教では一水四見といい、天女が水を見れば鏡に見え、

人間が見れば飲み水に、魚が見れば棲家に、

鬼が見れば炎に見えるのです。

2つ目は天眼です。高い所から物事を見ると言う意味で、

いわば経験によって積み重ねられたプロの眼と言えるでしょう。

キャリアを積んだことで見えてくる世界です。

年を食ったなどと悲しむのではなく、経験を重ねることで、

上司や先輩も父や母もようやく視界が広がってくるということです。

3つ目は法眼です。物事には因、縁、果があり、

その順番で成り立っているという道理を見る眼です。

今私たちがここにいるのはお父さんお母さんがいたからですが、

この道理が見えないとき、

「こんな人は親でも何でもない」などと感情的な言葉を吐いてしまいます。

しかし、いくら親でないと言っても、

お父さんお母さんという因があって、

そして縁があり、結果として私たちがいるのです。

4つ目は慧眼(えげん)です。

これは本当の自分を見る眼と言うことで、

教えを戴かないと気づくことが出来ません。

自分のことは自分が一番よくわかっていると思っても、

自分の姿を見ることは出来ません。

人を指差すとき、3本の指は自分を指しています。

ですから、他人のことと同様、

自分のことも視野を変えてしっかりと内側から見て行きましょうと言うものです。

5つ目が仏眼です。

これは文字通り仏様の眼で、目は半眼です。

その角度は母親がわが子を抱いているときのものです。

私も師匠にお坊さんとして生きていくときにも半眼でいなさい、と言われました。

家族の中でも「あなたおかしいわよ」などと

自分の感情で言ってしまいがちですが、

強く言えば言うほど相手は逃げるか言い訳をするようになります。

半眼とは半分は水に流し、逃げ場を作って慈悲の眼で見ること。

仏様は罰を与えません。

悪いことをしても抱きしめてやり、あなたはこんな子じゃない、

人に優しくするために生まれたのだ、悲しいのだと伝えてください。

それはきっと伝わるはずです。

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