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過去の放送

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2011年7月 9日放送 齋藤孝さん(第1745回)

会場
静岡市立商業高校
講師
明治大学文学部教授 齋藤孝

講師紹介

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、
同大学院教育学研究科博士課程等を経て現職。
専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。
「声に出して読みたい日本語」ほか、著書多数。

番組で紹介した本

「現代語訳 学問のすすめ」
  著:福澤諭吉 齋藤孝=訳
  発行:ちくま新書
      (税込み798円)


ポイント第1745回「学問のすすめ」

皆さんは、福澤諭吉の「学問のすすめ」をよくご存知だと思いますが
「読んだことがある人」と聞くと、文学部の学生でさえ、あまりいません。

明治時代の大ベストセラーで素晴らしい本ですので、紹介したいと思います。
冒頭の「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」が有名です。
人は平等な権利を持つと言っていますが、現実は必ずしも同じではないとも書かれています。
その違いは、学問するかしないかによって、
賢いとそうでないかの差がはっきり出る、と宣言しています。
当時、多くの人に読まれ、日本をよくしようという思いを胸に若者達が上京してきました。
日本人は、向上心にあふれ、勤勉と言われます。
この「学問のすすめ」の果たした役割は大きいと思います。

諭吉のいう学ぶ内容とは、
「実学」で実際に日常生活に役に立つ学問だと書いてあります。
試験のためだけの勉強では駄目なのです。

では、何のために学問をするのかといっているのでしょうか。
諭吉は、国を独立させるためには、一人一人が勉強して独立しないと、
国は成り立たないといっています。
当時の日本は、欧米に攻められていました。

現代の日本を考えてください。
経済、技術を含めて、日本の地位はどうなんでしょう。
日本人が勉強して、勉強して保ってきた地位は勉強を怠ると、
あっという間に外国に負けてしまいます。

諭吉は「独立の気概を持て」と言っています。
大震災が起きて、日本がひとつにまとまらなくてはならない今、
自分のためではなく、日本をひとつのチームとして考え、国を守るために勉強する。
「学問のすすめ」からはそんなメッセージが読み取れます。
 

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