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次回の放送

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2024年3月24日放送 川村妙慶さん(第2374回)

会場
裾野市生涯学習センター(裾野市)
講師
僧侶・アナウンサー 川村妙慶

講師紹介

福岡県生まれ。真宗大谷派僧侶。
関西を中心にラジオ番組のパーソナリティーなどをつとめる。
ホームページで日替わり法話を毎日更新し、
メールでの悩み相談にも応じている。

番組で紹介した本

「求めない幸せ 1ヵ月で人生を変える31の教え」 著:川村妙慶(中央公論新社)

ポイント第2374回「向上、向下の生き方」

人から励まされる時、または自分が誰かを励ます時には、「頑張ってね。もうちょっと前を向いて、やる気を起こそうよ」と、背中をポンポンと押します。私も落ち込んだ時にそういう言葉をかけてもらうと嬉しいものです。でも、頑張ろうと思ってもなかなか頑張れないこともありますね。例えばスポーツ選手。優勝した人がインタビューで、「みなさんの応援があったから優勝できました」と話すことがあります。では、結果を出せなかった、優勝できなかった人は、誰からも応援してもらえなかったのでしょうか。そんなことはないですよね。

一生懸命頑張った時に結果が出せたらいいのですが、出せなかった場合どうなりますか。力を出すのにも限界があり、目標をなくして「私は何のために頑張ってるのだろう?何のために生きているのだろう?」と落ち込むこともあります。実は、それはチャンスをもらったということなのです。落ち込むということは下を向きます。下を向くことは悪いのでしょうか。仏教では、もう一度自分の原点を見直すきっかけなのだということを教えてくれます。支えてもらっている大地をもう一度見つめ直す。これを「向下(こうげ)」と言います。

私たちは「知識があれば生きていける、しっかりとした意志を持ったら生きていける」と、強い自分を見せたくなります。それももちろん必要です。けれど、人間は突然辛いことに直面するともろくなります。強く生きることが本当の強い人ではないのです。自分の弱さが見せられた時、その人はいい意味で強くなれるのです。

弱さを受け入れてくれる大地。親鸞聖人の「仏地に樹て(たて)」と言う言葉があります。「仏様の大地に立たせてもらったらそれでいいんですよ」という意味です。どんなことがあっても必ず受け入れてくれる安心する大地に、そのまま立たせてもらえばいいのです。私たちが今こうして頑張れるのは、自分ひとりの力ではありません。大地に支えてもらっているからジャンプもできるし、寝ることもできるし、いろんなことができるんですよね。

私たちはみな、共に支えられて生きているのだということを感じることが大切です。ひとりよがりの喜びではなく、「よかったらあなたもやってみて」「これ一緒に食べない?」と、喜びは分け与えていくものです。

のぼり詰める、頑張るということも大切ですが、だからこそ「疲れたな、なんかしんどいな」と思った時には、ちょっと力を抜いて足元を見て、自分が支えてもらってるものを確認しましょう。「私もおかげで今日まで生きてきました」という気持ちで生きていってほしいと思います。

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