2018年4月 8日放送 高濱正伸さん(第2076回)
- 会場
- 新原小学校(浜松市)
- 講師
- 花まる学習会代表 高濱正伸
講師紹介
1959年熊本県生まれ。東京大学大学院修了。
93年、思考力などを重視した「花まる学習会」を設立。
その後本格的な学習方法を伝授する「スクールFC」を設立。
子どもの「生き抜く力」を育てることを重視した教育が好評。
番組で紹介した本
「高濱正伸の10歳からの子育て」 著:高濱正伸(総合法令出版)
第2076回「規範の力 脱皮の力」
私の講演会では子どもの成長を
4~9歳、そして10~18歳という二つのゾーンに分けた図を書き、
それぞれの時期がどのような意味を持つのか説明をしています。
4~9歳はいわゆる幼児期で、「愛」「しつけ」「好き」の三つが重要な時期です。
「愛」はその言葉の意味のまま、子どもを愛してあげる事。
もちろん子どもとの触れ合いやスキンシップも大切な時期です。
「しつけ」は、「朝は早く起きるものだ」という様な、社会に出れば当たり前の事を教える事です。
そして「好き」というのは、計算が早いなどという能力ではなく
何かに集中して取り組む事ができるかという没頭力を身に付けさせる事です。
4~9歳の間にこれらが無いまま大人になった子はどうなるのでしょうか。
今日は「しつけ」を例にお話します。
私は今、ある県の第三者評価委員を務めています。
県立高校では「三年後どの様な高校になりたいのか」と目標を立てます。
その目標にどれだけ到達しているかを教育委員会と民間人で評価するというものです。
そこで経験したのは、いわゆる困難校が今は少ないという事です。
つまり、教師に暴力を振るったりバイクで校内を走ったりするという問題高校があまり無いのです。
そこには理由がありました。
4~9歳の間に家庭の「しつけ」で身に付けているはずの「規範」を、学校でも徹底したのです。
「挨拶をする」「校内での服装の乱れを正す」など、
生徒たちが当たり前の事を当たり前にできるようになるまで指導したそうです。
社会に出る前に「規範」を身に付けなければ社会人として通用しなくなってしまいます。
4~9歳の間は親の責任で言い切ることが大切です。
家庭でしつけ切ってください。しつけとは理不尽込みなのです。
そして10~18歳の思春期になり、親や先生に押し付けられた型を「脱ぐ」時も重要です。
「規範」から一旦「脱皮」するのです。
私自身の経験も踏まえ「脱皮の力」の大切さをお話したいと思います。