2019年2月 3日放送 高濱正伸さん(第2115回)
- 会場
- 第一ひかり幼稚園(静岡市)
- 講師
- 花まる学習会代表 高濱正伸
講師紹介
1959年熊本県生まれ。東京大学大学院修了。
93年、思考力などを重視した「花まる学習会」を設立。
その後本格的な学習方法を伝授する「スクールFC」を設立。
子どもの「生き抜く力」を育てることを重視した教育が好評。
番組で紹介した本
「タカハマ先生のなやみの不思議 なやむほど強くなれるのはなぜ?」 著:高濱正伸(実務教育出版)
第2115回「お父さんの役割」
私は30年近く子どもたちを見てきました。
週に1日だけ思考力を伸ばすために様々な体験をさせ子どもたちを磨いても、
残りの6日間に家庭でお母さんが感情的にあれこれ言うと、
せっかく伸びる子も伸びないという事があります。
そこで私はお母さん向けに「家庭では子どもとこう接するべきだ」という講演をしました。
ところが、お母さんたちの反応は「先生は何もわかっていない。」といった感じでした。
「お母さんは家庭では笑顔でいなさい」とか、「他人と比較してはいけません」などと
誰でも分かる事を講演しても何も響きませんでした。
なぜお母さんがイライラして子どもたちに感情をぶつけているのか、
お母さんの内なるイライラがどこからきているのか、
男である私自身は理解できていなかったのです。
昔は「地域」という一つの社会がありました。
子育てに悩むお母さんのイライラは近所の先輩おばちゃん達が聞いてくれていました。
今はそんな「地域」との繋がりなどありません。
お母さんは一人悩み事を抱えイライラしています。
仕事を終えたお父さんが夜遅く帰ってくると、
待ってましたとばかりに家庭で唯一の話し相手であるお父さんに対して
お母さんは溜まっているストレスをぶつけます。
お父さんにしてみれば、なぜ妻であるお母さんがイライラしているのかが分かりません。
子育てを始めた妻が、昔とは違い別の人格になったように感じます。
しかも、仕事で疲れているお父さんは妻には要点だけを話して欲しいと思ってしまうのです。
当然、そんな状態ではお母さんのイライラは全く解消されません。
そこで私が得た答えは「父親が家庭で変わらなければいけない」という事でした。
お父さんとしての一番の役割はなんでしょう?
結論から言うと、「妻がニコニコであるように」という人生にすることです。
では妻をニコニコにするためにどうすれば良いのか考えてみましょう。