2019年12月15日放送 高濱正伸さん(第2159回)
- 会場
- 相良総合センター い~ら(牧之原市)
- 講師
- 花まる学習会代表 高濱正伸
講師紹介
1959年熊本県生まれ。東京大学・同大学大学院卒業。
1993年、思考力などを重視した「花まる学習会」を設立。
その後本格的な学習方法を伝授する「スクールFC」を設立。
子どもの「生き抜く力」を育てることを重視した教育が好評。
番組で紹介した本
「働くお母さんの子どもを伸ばす育て方」 著:高濱正伸(実務教育出版)第2159回「働くお母さんだからできること」
私は今年、還暦を迎えました。私を含めた昭和世代は、妻に
「子育てに専念するならば、仕事を辞めて家の中にいて欲しい。」
と言っても変ではなく、当たり前と捉えられていました。
しかし時代が変わり、今では子どもを産んでも外で働き続けるお母さんたちが増えてきました。
昔は、子どもが家に帰ってきて「ただいま!」と言ったら、お母さんが「お帰り。」と言うのが当たり前。
そういう環境が無くなると情操教育に良くないとも言われていました。
しかし、それは思い込みです。
今は社会も文化も変わり、「そんな事は関係ないよ。」と言う人も増えてきました。
私は、実際に働くお母さんを10年以上見てきました。
その中でまず皆さんに伝えたいのは
「日本は労働人口が減ってきているので、お母さん達にも働いてもらわないと困る」
という現実です。特に、結婚するまでバリバリ働いていたキャリアのあるお母さんたちには、
働いてもらった方がいいという経済的な側面があると思います。
ところが、子育てをしながら働くのは簡単なことではありません。
働くお母さんは「時間がない!時間がない!」とよく口にします。
特に、休めない仕事がある時に子どもが体調を崩すと、「何でこんな大事な時に!」と思ってしまいます。
その一方で、「私は子どもの事が大好きなのに何でこんな事を思ってしまうのだろう...。」と
自己嫌悪に陥ることもあるでのはないでしょうか。
働いているお母さんたちに「子育ての思い出」を聞くと、必ず返ってくる言葉があります。
それは「私が働いていたばっかりに、子どもに悲しい思いをさせてしまった。」という思い出です。
子どもに寂しい思いをさせた、我慢をさせた、迷惑を掛けたという罪悪感に駆られている母親が多いです。
でも大丈夫。
私が見てきた「働くお母さん」の良い所、そして子ども側からみた母への思いについてお話したいと思います。