【園児バス置き去り死亡事件】裁判始まる…なぜ幼い命が奪われたのか?事件を振り返る 静岡

2024年04月23日(火)

事件・事故地域

2022年9月、静岡県牧之原市で送迎バスに3歳の園児が置き去りにされ死亡した事件の裁判が4月23日から始まりました。業務上過失致死の罪に問われた当時の園長とクラス担任はともに起訴内容を認めています。

改めて、当時の事件を振り返ります。

「女児が声を発したにも関わらず…」検察指摘 元園長は遺族に一礼せず バス置き去り死亡事件初公判

幼稚園の送迎バスで置き去りに…

当時3歳の河本千奈ちゃん

生まれたばかりの妹にミルクをあげる河本千奈ちゃん3歳。

川崎幼稚園の送迎バス(2022年9月)

2022年9月、牧之原市の認定こども園・川崎幼稚園で送迎バスの中に置き去りにされ、重度の熱中症で亡くなりました。

その日の最高気温は30.5℃。警察が同じような気象条件の日に行った実験で車内の温度は40℃を超えました。

「助けられなくてごめんなさい」

千奈ちゃんの父親(2023年4月)

2023年4月、取材に応じた千奈ちゃんの父親は悔しさをにじませました。

千奈ちゃんの父親:
ひとつしかないです。妻も私も「助けられなくてごめんなさい」それしかないです

車内で発見されたとき千奈ちゃんは服を脱いだ状態で、そばにあった水筒は空っぽでした。

河本千奈ちゃん

千奈ちゃんの父親:
(病院で)僕たちは泣き叫びながら千奈の名前を呼んだが、答えることはもちろんできない状態で心臓マッサージを受けていた。心電図が動いていたので「まだ千奈が脈があるということなんですか?」と伺ったが「マッサージをしているから動いている。止めるとゼロになります」と聞いて、そこで本当に助からないんだなということをたたきつけられた

車内を確認せずカギをかける

バスの後方に座る千奈ちゃん

千奈ちゃんが座っていたのはバスの後方でした。

その日、運転手が休みで、急きょ当時の園長(74)の被告がバスを運転。子供たちを降ろした後、車内を十分に確認せずカギをかけました。

当時の園長(2022年9月)

当時の園長:
後ろ側が見えない、運転席から。そっちだけ(ドア付近)は見ました。後ろの方は見えなかった。(Q.見えなかった?見なかった?)見なかった

5時間以上経過して見つかる

川崎幼稚園

また、当時のクラス担任(48)は千奈ちゃんが登園していないことに気づいていながら、保護者に連絡していませんでした。

車内で千奈ちゃんが見つかったのは帰りの準備をしていた時。置き去りとなって、すでに5時間以上が経過していました。

河本千奈ちゃん

千奈ちゃんの父親:
私は9月5日にベッドで寝ている千奈の寝顔が最後でした。妻は当日の朝、すごくかわいく三つ編みができたと。初めてブラウスの一番の上のボタンも自分でしめることができたと。その記憶がずっと頭の中に残っています

事件の1年ほど前にも福岡で…

福岡県・中間市(2021年7月)

今回の事件から1年ほど前にも、福岡県で園児が送迎バスに置き去りにされ死亡したばかりでした。

「年齢的に忘れてしまう」

当時の園長・バス運転の被告

事件から約1年2カ月後、静岡地検は当時の園長でバスを運転していた男とクラス担任だった女を業務上過失致死の罪で在宅起訴しました。

当時の園長:
書いている運行記録に目がいったというのが僕のミスだし、年齢的にひとつひとつのことを忘れてしまう。本当にそれは申し訳なかったと

手を合わせる当時の園長(2024年4月)

そして初公判を前にした19日朝、幼稚園の駐車場で手を合わせる元園長の姿がありました。

当時の園長:
(Q.一言だけお願いできますか?)弁護士に聞いてください

そして23日、静岡地方裁判所で初公判が行われました。

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