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過去の放送

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2016年9月18日放送 吉岡たすくさん(第2000回)

会場
テレビ静岡スタジオ(静岡市)
講師
児童文化研究家 吉岡たすく

講師紹介

大阪府で小学校の教諭、校長などを務める傍ら、
執筆活動と全国各地での講演活動を続けた。
子どもの立場に立った優しい眼差しとソフトな語り口で
「テレビ寺子屋」スタート時から
レギュラー講師を22年間つとめた。
1999年7月の収録を最後に降板。2000年逝去。

番組で紹介した本

スタジオゲスト 山田パンダ(ミュージシャン・子どもサポーター)

ポイント第2000回「吉岡たすく思い出の名講義 子どもはすばらしい」

学校というところは校長が変わるとムードも変わります。

ある年の4月に新しく赴任してきた校長は理科を重視する校長でした。

それまでは国語を大事にする校長だったのが急に変わりました。

しかも、自然観察が大事というので、クラスごとに花壇を作ることになりました。

私は3年1組の担任でした。

1坪ほどのスペースに好きなものを植えます。

しかし、私は理科があまり好きでないので、生徒に助けてもらおうと思い、

係りを作ろうということになりました。

クラスでそんな話をしていると、教頭から呼び出しがあり、

5分ほどで戻るともう係りが決まっていました。

紙には「ヒロコ」「マサエ」「アキコ」という

3人の女の子の名前が書かれていました。

私はふとみんな女の子なので不思議に思いましたが、

花が相手だからいいのかなと思い直しました。

ただ、その3人はいずれも消極的で無口な子たちだったのです。

でもよかったことは、その係りになった事で

3人は嫌でも私に話をしなくてはなりません。

種を買って欲しいとか、スコップが足りないとかです。

そして、いつも3人は決まって1人ずつ、

「せんせい」「スコップが」「足りません」と分担して言うのが常でした。

やがて、花壇に水仙の種が植えられました。

見ると、黄色い糸が3本張られています。

3人に聞くとそれは、同じ水仙でも咲く時期がそれぞれ違うので

分けているとのことでした。

そして、最初の1列目から芽が出てつぼみが出来ました。

ところが、その翌朝3人が校門の前に立っていて、私に「ダメ」と言います。

「何が?」と聞くとつぼみが誰かに全部取られてしまったと言います。

私は何と残酷なことをするのかと思いました。

同じことがそのあとも2回続きました。

すると3人が私に言いました「朝礼でみんなに話す」と。

翌日朝礼台に立ったのはいつも「せんせい」としか言わないヒロコでした。

ヒロコは「つぼみを取らないでください。」と言いました。

生徒たちは何のことかわからず、笑いが起きました。

それでもヒロコは

「つぼみを取らないでください。最初の水仙は先生にあげるつもりでした。

でもそんなに欲しいならあなたにあげます。だからつぼみを取らないでください。」

と言ったのです。

今度は皆シーンとなりました。

クラスに戻っても皆黙っています。

私は口を開けば涙が出そうで何も言えませんでした。

この時私は、誰でも場を与えられれば

必ず力を発揮するのだと言うことを教えられました。

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