テレしず ホーム > テレビ寺子屋 > 子どもは誰のために生きているのか

テレビ寺子屋毎週日曜日 午前6時30分~

トップへ戻る

公開録画会場 随時募集中!

全国の放送予定はこちら

  • お知らせ
  • 寺子屋の歩み
  • 次回の寺子屋
  • 講師紹介
  • 過去の放送
  • 会場募集
  • ご意見・ご感想

過去の放送

過去の放送

2018年1月14日放送 樹原涼子さん(第2064回)

会場
豊田南小学校(磐田市)
講師
音楽教育家 樹原涼子

講師紹介

熊本市生まれ。武蔵野音楽大学卒業。
1991年より順次出版されたメソッド「ピアノランド」がベスト&ロングセラーに。
作曲・執筆の傍ら、セミナーやコンサート、音大での特別講義などを通じ、
ピアノ教育界に新しい提案と実践を続けている。

番組で紹介した本

「もっとピアノが好きになる!  樹原涼子からあなたへ“贈る言葉”300選」 著:樹原涼子(音楽之友社)

ポイント第2064回「子どもは誰のために生きているのか」

私はピアノのレッスンを通して様々な子どもと接してきました。

私自身も二人の子育てを経験し、その中で感じたのは

「子どもの人生はいったい誰のものなのか?」という事です。

子どもはとても健気です。

ピアノレッスンをしていて上手に弾けるとふり返り、

後ろで見守っている母親の顔を見て「どう?」と自慢します。

そして母親がニコっと笑顔になるとまた安心してピアノに向かいます。

上手に弾けなくても、やはりふり返って母親の顔を見るのです。

先生である私より付添いの母親の事が気になり、いつも顔色を窺っています。

私は子どもたちがお母さんから自立して音楽に向き合えるよう

心掛けてレッスンしてきたつもりですが、

それは一般的になかなか難しい事でもあります。

ピアノの先生は「弾けなかった曲を弾けるようにさせてあげたい」とか、

「コンクールで一位を取らせてあげたい」とか、

生徒に対して様々な期待を持っています。親御さんも同じですよね。

他の生徒と比べて自分の子どもが上手か下手かといった

他人との比較で安心したり不安になったりします。

これでは我が子の成長に目がいかなくなってしまいます。

この状態が続くと子ども自身が苦しくなり、

ピアノや音楽の楽しさから遠のいてしまうのです。

そこで私は親御さんに「自分の夢を託しすぎない事」、

親を喜ばせたいと思っている子どもに対して「過度に期待しない事」をお願いしています。

また、「ピアノが上手に弾けたから」とご褒美をあげる事も危険です。

「練習したら何々を買ってあげる」というのは

子どもをピアノの本当の楽しさから遠ざける行為です。

ピアノ自体からいただける楽しみの「ギフト」が貰えなくなってしまいます。

中国にラン・ランという天才ピアニストがいます。

ラン・ランのお父さんはスパルタ教育で有名です。

類まれなピアノの才能を持っていたラン・ランだからこそ成り立った教育スタイルだと思います。

成功したピアニストの教育スタイルをそのまま自分の子どもに当てはめたとしても、

合う子もいれば合わない子もいます。皆が同じように成功する訳ではないのです。

子どもはみんな才能を秘めています。

一人一人違うその才能を開花させてあげ、

他人のためではなく子ども自身が自分の思う通りに生きていけるようにしてあげたいですよね。

そのためには大人の想いを押し付け過ぎず、温かく見守ってあげる事が大切だと思います。

ページの先頭へ

ページの先頭へ