2019年5月26日放送 落合恵子さん(第2131回)
- 会場
- 静岡労政会館(静岡市)
- 講師
- 作家・クレヨンハウス主宰 落合恵子
講師紹介
1945年栃木県生まれ。執筆活動と並行して、
子どもの本の専門店クレヨンハウスなどを展開。
総合育児・保育雑誌「月刊クーヨン」や、
オーガニックマガジン「いいね」の発行人。
番組で紹介した本
「オレゴンの旅」 文:ラスカル、絵:ルイ・ジョス 訳:山田兼士(らんか社)第2131回「絵本は誰のもの?」
通常、絵本というと子どものものだと考えがちですよね。
しかし私は、生まれて初めて絵本に出合う子どもから始まり、
上は年齢制限が無いものだと思っています。
好きな人にとっては、いくつになっても絵本の世界に入ってくることができ、
また出ていくことも自由です。
間口が広く、いつでも扉が開いているメディアが絵本だと思っています。
私はクレヨンハウスという子どもの本の専門店を開いて40年以上になります。
開店した当初、友人たちは「まぁ持って3ヶ月だな。」とか「3年だな。」と言っていました。
そう言われながらも40年以上続けられたのは、
やはり子どもたちが支えてくれたのだと思っています。
そしてその子の周りで、お母さんやお父さん、おばあちゃんやおじいちゃんも、
一緒に支えてきてくれたと感じています。
また、子どもがいなくても次の世代の子どもたちの事を一生懸命考えてくれている大人たちも、
支えてきてくれた方々だと感謝しています。
「クレヨンハウスはなぜ絵本を扱うのですか?」とよく聞かれます。
理由はとてもシンプルです。私が絵本が好きだからです。
「こんなに素晴らしい絵本があったのか!」と気が付いたのは、ある程度の年代になってからでした。
私が子どもの頃は、こんなにたくさん、そしてこんなに深い意味を持つ絵本はありませんでした。
もしかしたら私の周りに無かっただけかもしれません。
でも自分の過去を振り返った時、
「子どもたちが、あるいは子どもである事を忘れない大人たちが、
いつ来ても図書館のように絵本を開いて読める場所を作りたい。」
と思いました。
本は流通を通して書店に入ってきます。汚れていたら返品は駄目です。
でも私は「立ち読み」でなく、「座り読み」ができるお店としてクレヨンハウスをスタートしました。
それは、好きな絵本は、一回読めば終わりではなく、
「何十回、何百回と読み返すもの」という確信があったからです。
さて今日は、そんな私が大好きな絵本の一つ、「オレゴンの旅」を紹介したいと思います。