2020年2月 2日放送 田中ウルヴェ京さん(第2164回)
- 会場
- 沼津市民文化センター(沼津市)
- 講師
- スポーツ心理学者・博士 田中ウルヴェ京
講師紹介
ソウル五輪シンクロ・デュエット銅メダリスト。米国大学院修士修了(スポーツ心理学)。慶應大学にて博士号取得(システムデザイン・マネジメント学)。慶應義塾大学特任准教授。トップアスリートや経営者など幅広く心理コンサルティングに携わる。一男一女の母。
番組で紹介した本
「人生最強の自分に出会う 7日間ノート」著:田中ウルヴェ京(ディスカヴァー・トゥエンティワン)第2164回「自分を幸せにする心の作り方」
私は、色々なスポーツ選手にメンタルトレーニングを行っていますが、
一番大切なのは、試合や競技本番直前に「心」が整っている事だと教えています。
「心」が整っているからこそ、試合中にいい緊張感や集中力が湧き、
結果的に「勝利」に繋がるのです。
「心」の整え方を覚えると、選手生活を終えた後も、
色々な時に、その力を応用する事ができます。
「勝利」のためだけでなく、整える目的を変えればいいのです。
私は、海外でスポーツ心理学を学びました。その学問の延長線上には、
「ポジティブサイコロジー」というものがあるという事を知りました。
「ポジティブサイコロジー」は、日本語で「幸福心理学」と言ったりします。
「あなたは幸せですか?」という問いに対して、私達はどう考えるかという話です。
「私って幸せかしら?」という質問を自分自身にした時、
「すごく幸せ!」とすぐに答えられる時はいいのですが、
「幸せかしら?」と考え込んでしまう時は、多分何かに悩んでいる時だと思います。
つまり「心」が整っていないのだと思います。
私達は、ついつい目に見えるもので、自分自身を他と比べてしまいがちです。
例えば、「あんな大きな家に住めたら幸せだろうな。」
「こんな素敵なバッグが欲しいな。」といった物欲から、
「最近、他の人と比べて、私はニコニコしてないな。」という内面的感情まで、
見えるもので自分以外と比較してしまいます。
そうすると、自分自身の欠点にどんどん目が行き、落ち込んでしまいます。
そんな時「ポジティブサイコロジー」では、
「私は今、幸せか?」といった自問をするのではなく、
「今日、私は、どうあると幸せか?」という事を考えるように説いています。
つまり、幸せという目標を達成するために、どのように行動すればいいかを考えるのです。
そのためのキーワードに、頭文字が「F」のものがいくつかあります。
今日は、その中から3つの「F」を紹介しながら、
「自分を幸せにする心の作り方」について一緒に考えてみたいと思います。