2020年4月19日放送 川村妙慶さん(第2175回)
- 会場
- 菊川文化会館アエル(菊川市)
- 講師
- 僧侶・アナウンサー 川村妙慶
講師紹介
福岡県生まれ。真宗大谷派僧侶。
関西を中心にラジオ番組のパーソナリティーなどをつとめる。
ホームページで日替わり法話を毎日更新し、
メールでの悩み相談にも応じている。
番組で紹介した本
「いのち輝く365日」著:川村妙慶(国書刊行会)第2175回「幸せになる生き方」
みなさんは今、幸せですか?幸せって何でしょう?
おいしい物を食べている瞬間、幸せという方もいるでしょうし、
健康だから幸せという人もいると思います。
しかし今の自分に納得できないという人もいると思います。
先日、こんなメールが届きました。
70歳代の男性が自死なさったそうです。遺書には、
「私が生きられなかったのは、この先、見通せるものが見えないから。
私が生きられなかったのは、私を裏切らない愛がないから」と。
何度も何度も「私が生きられなかったのは」という言葉が書いてあったそうです。
ここには深いメッセージが込められていると思い、私なりに考えてみました。
親鸞上人の言葉に『あなたがもうだめだ、もう生きられないと言っても
一歩先に必ずあなたの生きる道がある』という一節があります。
これは、あなたが見えないと決めつけているだけで
必ず道はあるんだと教えてくださっています。
仏さまの「智慧(ちえ)」という言葉、これは知恵ではなく、
「知」の下にお日さまの「日」が付きます。
幸せ、不幸せというのは、誰かと比較して自分で作り上げている心でもあります。
私たちは残念ながら損得で物事を考えてしまいがちです。
知識や知恵を「日」に照らして正しい方向に導くよう仏さまの「智慧」は教えてくれています。
私たちは一日に何度も鏡を見ると思います。
しかしこれは「鏡」を見ているのではなく、鏡に写った「自分」を見ているのです。
良いところだけでなく、自分では気づかないところを見ましょう。
そのために必要なのが「日」なのです。日の光があることによって当然影ができます。
その影の部分を見ていきましょう。だから「おかげさま」という言葉があります。
「幸せ」という言葉は、実は辞書には書いてありません。
正式なしあわせは、「仕合せ」(つかえあわせ)この字を書いています。
人と人とのめぐり合わせ、「ご縁」を意味するこの言葉が教えてくれる
「しあわせになる生き方」をお話しさせて頂きます。