2020年5月31日放送 吉岡たすくさん(第2181回)
- 会場
- テレビ静岡(静岡市)
- 講師
- 児童文化研究家 吉岡たすく
講師紹介
大阪で小学校の教諭・校長などを40年以上務める。
幼児教育と童話を研究するかたわら
執筆活動と全国各地での講演活動を続けた。
番組開始当初からレギュラー講師を22年間務め、
小学校教師の経験を元に独自の子育て論を展開。
1998年に番組を降板し、2000年5月逝去。
番組で紹介した本
「いきいき子育て テレビ寺子屋お母さん講座Ⅱ」 著:吉岡たすく(PHP出版)※販売終了第2181回「お母さんへのエール ~子どもから学ぶ 親と子の絆~」
今回のテレビ寺子屋は、児童文化研究家の吉岡たすく先生のお話を振り返ります。
吉岡たすく先生は、1977年の番組スタートから
20年以上にわたってレギュラー講師を務め、
小学校の教師経験をいかしたエピソードで
多くのお母さんの悩みに寄り添ってきました。
先生の書かれた本「いきいき子育て」の中にこんな言葉があります。
◇ ◇ ◇
子どもの心の支えは、なんといってもお母さんです。
お母さんは子どもにとっては太陽 です。
いきいきと生きるお母さんにふれている子どもは、のびのびと育っていきます。
◇ ◇ ◇
テレビ寺子屋は、全国各地で放送されているため、いろいろな所からお手紙を頂きます。
高知県に住んでいるスズカちゃんのお母さんから手紙を頂きました。
スズカちゃんは重い病気が原因で障がいがあり、車いすで生活しています。
吉岡先生がその手紙のなかで心を打たれたのは、
「私は、この子が生まれてきてくれたから、
他の人にも温かい気持ちが持てるようになりました。」という言葉です。
そしてもうひとつ、
「子どもは神さまが預けてくれるものだと思っています。」という言葉です。
スズカちゃんのお母さんは、
「この子を育てていくのは大変なことだけれど、
あなただったら一緒に暮らして行けるだろうと神さまが私を信頼してくれたからこそ、
この子を私の家に寄こされたのだ。」と仰いました。
同じ手紙の中に、スズカちゃんが保育園で同級生だった、
カナコちゃんの文集についても書かれています。
カナコちゃんが一番感動したのは、スズカちゃんとお母さんの会話だったそうです。
「ママ、私ね、生まれてきてよかった。」
そう話したスズカちゃんの言葉に涙が止まらなかったそうです。
カナコちゃんは、スズカちゃんのことをずっとかわいそうだと思っていました。
でもまちがいでした。
かけっこでも縄跳びでも何でも勝てるのに、
いくら努力しても心だけは、スズカちゃんに勝てないと思ったそうです。
そしてカナコちゃんの文集は、こんな言葉で締めくくられていました。
「スズカちゃん、大人になってもあの時と同じ言葉をお母さんに言ってあげてね。
『生まれてきてよかった。』
私もこれから自分の心を育てていきたいです。」