2020年6月 7日放送 吉岡たすくさん(第2182回)
- 会場
- テレビ静岡(静岡市)
- 講師
- 児童文化研究家 吉岡たすく
講師紹介
大阪で小学校の教諭・校長などを40年以上務める。
幼児教育と童話を研究するかたわら
執筆活動と全国各地での講演活動を続けた。
番組開始当初からレギュラー講師を22年間務め、
小学校教師の経験を元に独自の子育て論を展開。
1998年に番組を降板し、2000年5月逝去。
番組で紹介した本
「すくすく子育て テレビ寺子屋お母さん講座Ⅲ」 著:吉岡たすく(PHP出版)※販売終了第2182回「吉岡たすくの想い ~みんな同じでなくていい~」
今回の「テレビ寺子屋」は、児童文化研究家の吉岡たすく先生のお話を振り返ります。
吉岡先生は、小学校の教師として40年。
そして退職後はテレビ寺子屋の講師として20年以上。
あわせて60年以上も子どもたちに関わる生活を送られました。
子どもから学び、お母さんに寄り添う。
そんな吉岡先生の思いが詰まった本が、平成元年に出版された「すくすく子育て」です。
この本のあとがきに、番組スタッフが次の様な吉岡先生のエピソードを残しています。
◇ ◇ ◇
吉岡先生は、学校生活のスタートラインについたばかりの幼い子どもたちの学力や能力に、
優劣のランクをつけなければならないということに疑問を持ち、悩まれました。
そして、自分の学級では
「他人と比較をする相対評価をやめよう。」と決意なさったそうです。
しかし、こうした行動は簡単には認められることではありません。
懐にはいつも辞表を入れて登校を続けられました。
◇ ◇ ◇
子どもたちには、いろいろなタイプがあります。
しかし、いまの教育は「同じであること」を重視する傾向があります。
家庭でもどうしても他の子と比べて一喜一憂しがちです。
吉岡先生がテレビ寺子屋の特別編で海外に行った時のことです。
ヨーロッパの国のお母さんたちは、みんな一緒ということを嫌う傾向がありました。
日本の教育と大きく違っていました。
「バラもすみれもたんぽぽも それぞれに美しい花が咲く」
子どもたちにも、それぞれにすばらしい個性があります。
でも、たんぽぽにバラの花は咲きません。
他の子どもと比べて「できる」、「できない」を決めつけないで欲しいのです。
できる子は、早咲き。できない子は、遅咲き。
みんな花は咲くのです。咲くタイミングがそれぞれ違うのです。
子どもたちを同じ形にはめ込むのではなく、
それぞれの個性を信用してあげる教育を目指した「吉岡たすく先生の想い」を振り返ります。