2020年6月28日放送 高濱正伸さん(第2185回)
- 会場
- テレビ静岡(静岡市)
- 講師
- 花まる学習会代表 高濱正伸
講師紹介
1959年熊本県生まれ。東京大学・同大学大学院卒業。
1993年、思考力などを重視した「花まる学習会」を設立。
その後本格的な学習方法を伝授する「スクールFC」を設立。
子どもの「生き抜く力」を育てることを重視した教育が好評。
第2185回「もう一度届けたいメッセージ ~我が子を伸ばす〇〇力~」
今回のテレビ寺子屋は、「もう一度届けたいメッセージ」と題して
みなさんに再びご覧いただきたい名講義をお送りします。
講師は、花まる学習会代表の高濱正伸さんです。
テレビ寺子屋には、年に1度、出演するレギュラー講師で、
自らも気づかなかったようなお母さんの心の声を代弁してくれたり、
子ども伸ばすための「コツ」を分かりやすく伝えてくださいます。
◇ ◇ ◇
人工知能(AI技術)が発達した、いまの時代の子育ては、確かに難しい一面があります。
これまでの経験を通して私が見てきた「伸びる子」の特徴を紹介します。
まず、ベースとなるのが「基盤力」です。
これは、体力や言葉、それに規範、ルールを守るなど学校で習うことです。
差がつくのは、この基盤力にどのような力を積み上げていくか、ということです。
まずは「思考力」。ものごとの本質だったり、要点やアイデアだったり、
言い換えれば「見えないものが見える力」です。
最近では、非認知能力とも言われます。私はこのタイプを目指して指導をしてきました。
他には「人間力」を積んで伸びる子や、「基盤力」に「基盤力」を重ねる真面目タイプもいます。
つまり、子どもを伸ばす力は様々だということです。
お母さんは、子育てに正解を求めて悩んでしまいがちですが、正解は必要ありません。
これからは多様な時代です。
三人いたら三様、十人十色の子育てを目指すと少し楽になるかもしれません。
また、伸びる子どもには、条件があります。
意欲があること、集中力があること、様々な経験があること、それに言葉の力があることです。
特に家庭の「言葉の力」、言葉づかいや会話で差が出てきます。
伸びる子どもの家庭は「キャッチボール一家」。
親も子どもも聞かれたことにきちんと答えます。
逆に伸びない子どもの家庭は、「玉入れ一家」。
自分の感情や言葉をそれぞれが思うままに投げている「一方通行」の家庭です。
言葉の力を育むのは家庭です。
特に幼少期の会話や家庭の文化を大切にしていただきたいと思います。