2020年10月11日放送 尾木直樹さん(第2200回)
- 会場
- テレビ静岡(静岡市)
- 講師
- 教育評論家 尾木直樹
講師紹介
1947年滋賀県生まれ。早稲田大学卒業後、
教師として22年間子ども主役の教育を実践。
その後大学教員に転身し22年教壇に。現在は
法政大学名誉教授、臨床教育研究所「虹」所長。
第2200回「温故知新 語り継ぐ言葉と想い ~本当の言葉かけ~」
1977年から40年以上に渡って
子育てや生き方のヒントをお伝えしてきた「テレビ寺子屋」。
この度、放送2200回を迎えました。
総勢300人を越える講師陣のお話の中から
「温故知新 語り継ぐ言葉と想い」と題して古き良き講演を振り返ります。
第一弾は、教育評論家の尾木直樹さんです。
【迷惑をかける子育てのすすめ】
迷惑をかけない子どもになって欲しいというのは親の願いです。
学童保育の先生を対象にしたアンケートで子どもたちの気になる点を尋ねると、
実に96%が「親の前では良い子」という回答がありました。
悪いことをしたり、失敗したりするのが子どもです。
ある意味、それが子どもの仕事です。
ところが失敗をした時に「先生、お願いだからお母さんには内緒ね。」
と言う子どもが増えています。
これは、家庭が「安心できる居場所」だという実感を持てていない証拠です。
子どもはたくさん迷惑をかけていい。
迷惑をかけながら豊かな感性を育む子育てを実践して欲しいと思います。
大切なのは「聞く」こと。親子のコミュニケーションです。
【本当の言葉かけ】
子どもへの言葉かけで使わない方がいい言葉がいくつかあります。
まず「ダメ」という言葉。子どもは言葉と同時に大人の表情も汲み取ります。
次に「早く」という言葉。時間がかかるのは子どもなりの理由があります。
子どもの目線に立ってよく観察してください。
すると穏やかな表情で声かけができます。
安心感があると子どもはいろいろなことに挑戦できる意欲的な子になります。
それが自己肯定感につながります。
そして「大丈夫?」という言葉も使わない方がいい言葉です。
自分に自信がないときに自分を励ます言葉が「大丈夫」です。
ですから「準備はできた?」などできるだけ具体的な言葉をかけてください。
最後に感謝の言葉「ありがとう」を子どもに対して一日3回は使うようにしてください。
すると子どもは周りの人たちに感謝の気持ちを持てる子どもに育ちます。