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過去の放送

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2021年2月14日放送 齋藤孝さん(第2217回)

会場
聖隷クリストファー中・高等学校(浜松市)
講師
明治大学文学部教授 齋藤孝

講師紹介

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、
同大学院教育学研究科博士課程等を経て現職。
専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。
「声に出して読みたい日本語」ほか、著書多数。

番組で紹介した本

「君は君の道をゆけ」著:齋藤孝(ワニブックス)

ポイント第2217回「君は君の道をゆけ」

『君は君の道をゆけ』これはニーチェの哲学の根幹です。

ニーチェは哲学者ですが私にとっては「人生の応援者」です。


精神の発展についてニーチェは

『ラクダが獅子になり、獅子が小児になる』と言っています。

少し難しいかもしれません。

まず「ラクダ」は義務を負う象徴です。

重い荷物を背負って歩く、その訓練の時期が人生には必要だといっています。

いわば親のいうことに従う時代、

そこから自分のやりたいことをやる時期が「獅子(ライオン)」です。

これが青年期です。

そして自分自身の価値を自分で生み出すのが「子ども」。

一度すべてを忘れて自由な動きをする、無垢な魂を持つということです。

子どもの心を大人になっても持ち続けることは大切です。


青年期に送るエールとしてニーチェは

『君自身の出会う最悪の敵はいつも君自身にあるだろう』と言っています。

そして『ユーバーメンシュ』という言葉で『人間的なるものを越えてゆけ』と。

自分の心の中の弱い部分、嫉妬心、そういうものを乗り越えてゆけ。

つまりいまの自分自身を越えてゆけということです。

棋士の藤井聡太二冠(当時)がインタビューで

「将棋の神様がいるとすれば、何をお願いしたいですか?」と問われたとき

「できれば一局お手合わせ願いたい。」と答えたそうです。

いまの自分の実力、そして足りないところがわかるからこそ、

伸びていけるということだと思います。


みなさんも例えば、レベルが高い学校を受験して頑張って入学したとします。

すると周りはできる人ばかり。

それでも努力して乗り越えていこうというチャレンジ精神です。

『何も恐れる必要はない、自分が思うように挑めばいい』と教えてくれています。

ニーチェは常に攻めの姿勢です。

ですから友情というものもお互いに高みを目指していく向上心で結ばれた仲間だと。

自分を否定するのではなく肯定する。キーワードは「上機嫌」。

こうしたメッセージがニーチェの言葉には全編にあふれています。


そしてニーチェは『万人のための道はない、君は君の道をゆけ』といっています。

あらゆる場面で背中を押してくれるニーチェの言葉は、

日々自分を乗り越えて行くための勇気を私たちに与えてくれます。

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