2021年7月11日放送 大豆生田啓友さん(第2238回)
- 会場
- テレビ静岡(静岡市)
- 講師
- 玉川大学教授 大豆生田啓友
講師紹介
1965年生まれ。青山学院大学大学院を修了後、
青山学院幼稚園教諭などを経て現職。
専門は乳幼児教育学、保育学、子育て支援。
2男1女の父。子育て本を中心に著書多数。
第2238回「子育てっていいな」
子育てってお母さんが中心だと思われがちですが、
本来はたくさんの人の群れの中で行われてきました。
核家族というのはここ数十年の話です。
かつては大家族で地域の人たちもかかわって、みんなで子どもを育ててきました。
それがいま、お母さんひとりが頑張っているとしたら大変です。
今回のテレビ寺子屋は「子育てっていいな」と思えるようなアドバイスをお届けします。
『私の子育て大丈夫?』
いまは本当にたくさんの情報があふれていて、
インターネットを検索すると子育てに関する情報がいくらでも出てきます。
例えば、「子どもを叱る時は、感情的に怒るのはNG、冷静に叱りましょう。」と書いてあります。
しかしネット上に書いてある情報通りにはなかなかいきません。
子どもはひとりひとりみんな違うし、お母さんやお父さんのタイプもみんな違います。
それなのに「○○すべき」という情報があふれています。
子育てを頑張っている人ほど情報を集めようとしますから余計に苦しくなってしまいます。
お母さんはみんなもう十分頑張っています。
もう少し手抜きをしてもいいのかもしれません。
そして子どもの良いところを探してあげてください。
良いところを意識しながら見ていくと「うちの子いいんじゃない?」、
「私も結構頑張っている...。」と思えることが多くなります。
「子育てに正解はない!私らしくやろう。」というところで収めてもいいと思います。
『子どもの困った行動』
イヤイヤ期は誰もが通る道です。
早い子は1歳半くらいから、大体2歳前後、多少個人差はあります。
でも子どもは反抗している訳ではありません。
何でも自分でやってみたいという気持ちが育つ時期です。
それでも失敗ばかり、さらに親が先回りしてやったりすると...それに腹が立つ。
しかも言葉でまだうまく説明できません。
これを収めようと思ったら子どもに合わせるしかありません。
まずは気持ちをわかってあげる。
そして親も焦らないこと、ゆっくりと時間をとって受け止めましょう。
また代案を出してみる。時にはスキンシップも大切です。
一番ダメなのは子どもがワァーっとなっているときに「いい加減にしてよ!」と言ってしまうこと。
これは悪循環を招いてしまいます。
もちろん親としてはうまく収めたい。
だけどその時はうまく収まらなかったとしても、
「困ったときにお母さんやお父さんが自分のことを一生懸命に受け止めようとしてくれた。」
ということが後になって大切だと思います。
自分の気持ちを誰かが受け止めてくれる、いつも自分のことをわかってくれる人がいるという安心感。
安心基地がしっかりできると「自分は自分でいい。」、
「自分って結構すてきなんだ。」と思うことができます。
これからの人生を生きていくうえでの自信につながります。
そして自分がすてきと思える人ほど、
いろいろなことにチャレンジして世界を広げて行けるようになるのです。
子育てって親も子どももお互いが自分らしく、笑顔でいられるような関係が大事なのかもしれません。