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過去の放送

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2021年11月 7日放送 廣瀬俊朗さん(第2255回)

会場
テレビ静岡(静岡市)
講師
元ラグビー日本代表主将 廣瀬俊朗

講師紹介

1981年大阪府生まれ。5歳でラグビーを始め、
北野高校を経て、慶應義塾大学に進学。
2004年、東芝入社。中学から日本代表に
至るまで全てのチームでキャプテンを務める。

番組で紹介した本

「なんのために勝つのか ラグビー日本代表を結束させたリーダーシップ論」
著:廣瀬俊朗(東洋館出版社)

ポイント第2255回「なんのために勝つのか ~真のリーダーシップとは~」

ラグビーにはたくさんのポジションがあり、

それぞれが自分の役割を担ったとき良い結果が出ます。

誰にでも必ず活躍できるポジションがあります。

僕が日本代表のキャプテンを務めたのは2012年~2013年。

当時のラグビー界は大学ラグビーの早明戦、高校ラグビーの花園が注目され、

日本代表の注目度は優先順位のトップではない状況でした。

そんな中、チームづくりを考え、まず取り組んだのは人間関係をつくること。

「お互いを良く知ろう。」、「ニックネームで呼び合おう。」と提案しました。

チームが家族のような存在になるように

毎日、選手・スタッフ全員に声をかけることを自分の中の約束事にしていました。


そして「場」をつくり想いを共有すること。日本代表は多国籍な集団です。

外国出身の選手たちに日本のことをよく知ってもらうことが大事だと思いました。

その象徴として「君が代」の歌詞を調べたり、歌の練習をしたりしました。

また試合前日の夜には選手だけでスパイク磨き。

試合に備えて自分たちがこれまで準備してきたことをチームで確認した後、

各々がスパイク磨きを始めます。自然と心が整います。

試合直前グラウンドに入る時、相手チームの足元を見て自分たちのスパイクの方がきれいだと

「いい準備ができている。自分を信じて戦おう。」とスイッチが入ります。

試合に出られない裏方の選手に活躍できる場所があることも大切です。

東日本大震災の被災地の子どもたちを招待するプロジェクトで

大活躍してくれたのはリザーブの選手たちでした。


チームとして仕上がりつつある頃、「なんのために勝つのか?」よく話し合いました。

スポーツでよく耳にする「全国大会出場」や「日本一になる」は目標です。

僕たちは「日本代表チームが憧れの存在になる。日本ラグビーの歴史を変える。」

ということを目的に掲げました。

目標にフォーカスするとどうしても勝つことにこだわってしまいます。

目的にフォーカスしたとき、その目的にたどり着くためにはいろいろな方法があり、

またそれぞれに活躍できる場所があることに気づきました。


そしてエディ・ジョーンズ ヘッドコーチが掲げた「ジャパン・ウェイ」。

ラグビーはニュージーランドやイングランド、強豪のスタイルをまねしがちですが

身体の大きさ、強さ、日本人の選手にはないものばかりです。

ジャパン・ウェイは「規律正しさ」や「勤勉さ」、「忍耐力」、

僕たちが持っている強みを知り、それを伸ばすことでした。

そしてそれを最大限に活かすための「ハードワーク」。

想像以上の練習量をこなしてきました。それが自信に変わりました。


チームをつくるためには大儀が必要です。

「なんのために勝つのか? なんのためにがんばるのか?」大儀と目的、

「憧れの存在になること。歴史を変えること。」それを共有し共感するために

自分たちを信じてハードワークを続けました。

その結果が2015年のW杯・南アフリカ戦での勝利につながったのだと思います。


最初からいいリーダー、いいキャプテンは稀です。

いいリーダーになっていく過程は大変かもしれませんがそれをも楽しみながら

「自分にとって大事なものは何か?」気づくことが大切です。

「自分がどうありたいのか?」それを踏まえたうえで周りを巻き込んで一緒に楽しむこと。

それが真のリーダーシップにつながると思います。

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