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2023年11月19日放送 アグネス・チャンさん(第2357回)

会場
静岡県総合教育センター(掛川市)
講師
歌手・教育学博士 アグネス・チャン

講師紹介

香港生まれ。1972年「ひなげしの花」で日本デビュー。
上智大学、トロント大学を経て米国スタンフォード大学へ。
現在、歌手活動のほか、ユニセフアジア親善大使、
日本対がん協会「ほほえみ大使」などとして活躍。

番組で紹介した本

「心に響いた人生50の言葉」著:アグネス・チャン(かもがわ出版)

ポイント第2357回「アグネスの心に響いた人生の言葉」

これまでの人生の中で、たくさん素敵な出会いがありました。いろんな人からいただいた言葉が私を支えてきてくれたと感じています。その中から、特に自分の心にこだました言葉をお話しします。


まずは父からもらった言葉です。大好きな父でしたが、私が21歳の時に亡くなりました。悲しんでいた時、幼いころから言われていた「迷ったときは、一番難しい道を選びなさい」という言葉を思い出しました。父は、「簡単な道を選んで成功しても、大した喜びはない。しかも失敗したら、こんなに簡単なのにできないのかとがっかりする。でも、難しい道を選んだら、たくさん学ぶものがある。成功したら、達成感が強い。」と言うのです。

私はこの言葉を、小さなことから大きな決断までよく使っています。例えば、スタンフォード大学の博士課程に留学する時。合格したと分かった時には次男がおなかの中にいて、「留学などできない、難しすぎる」と思いました。でも父の言葉を思い出し、行くしかないと思い留学したのです。すごく大変でしたが、博士号をいただいた時は、本当にうれしく、達成感は言葉に表せないほど。父の言う通りでした。そして、自信もつきました。

私たちにはいっぱい力がある。使っていないだけです。難しい道を選んでみれば、秘めた力が出てきます。失敗したとしても、そのプロセスの中で新しい自分に出会えます。知らなかった自分の力に出会えるのです。

次の言葉は、「子どもに愛情をかけるとかけ算で返ってくる」です。ユニセフの活動でいろいろな国へ行って子どもたちと接して実感した言葉です。エピソードを紹介します。

シリアの難民を訪ねた時のことです。ユニセフは各地に子どもに優しいスペースを作っていて、そこで私は、日本の絵本の読み聞かせをしました。ヤギの先生とモグラの幼稚園児の話です。ヤギの先生が言いました。「家に帰ったら、家族を抱きしめて『愛してる』って言いなさい。これがきょうの宿題です」と。私も、「帰ったら、世話をしてくれている人や家族を抱きしめて『愛してる』と言いなさい」と、子どもたちに宿題を出しました。「ちょっと恥ずかしい」と言うので日本語の「愛してる」を教えると、子どもたちが次から次へとやってきて私を抱きしめ、「愛してる」と言ってくれました。すると、ある男の子が「愛してる」と、周りの大人一人一人を抱きしめ始めたのです。ボランティアの人たちはみんな泣き出しました。他の子どもたちも彼をまねして抱きしめ大会のようになり、「愛してる」の声が響き、感動に包まれました。

この話を車に戻りスタッフに話したところ、「子どもに愛情をかけると、かけ算で返ってきます」と言ったのです。本当にそうですね。すごく困っている子どもたちです。家をなくしたり、親を亡くしたりした子もいます。その子たちが私たちを抱きしめて「愛している」と言ってくれました。難民の子どもだけでなく、世界中の子どもたちに愛情をかければ、きっとかけ算で返ってきます。

そして、最後に「人間の最大の力は愛すること」という言葉。みんなが持っているこの力は、筋肉と一緒で、使わないと弱くなっていきますが、使えば使うほど強くなります。できることがどんどん増え、世界が広がります。ですから、人を愛することは、何よりも一番自分を強くする、幸せにする方法なのです。

愛情の伝え方はいくらでもあります。どんな伝え方でもいい、使わないと愛する力はなくなります。受け皿も狭くなります。この誰からも奪われない強い力をぜひたくさん使ってください。すると、もっともっと穏やかな良い世の中になるかもしれない。私たちの笑顔と愛の力で、もっと素晴らしい未来を夢見て、がんばっていきましょう。

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