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過去の放送

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2011年12月10日放送 長倉洋海さん(第1766回)

会場
富士市立広見小学校
講師
フォト・ジャーナリスト 長倉洋海

講師紹介

1952年北海道生まれ。
通信社勤務を経てフリーの写真家となる。
以降、世界の紛争地を精力的に取材。
2011年9月から12月にかけ、福島、岩手、宮城で取材、撮影した
「だけど、くじけない―子どもたちからの元気便」(NHK出版)を出版。


ポイント第1766回「北の島、南の島」

グリーンランドは、面積が日本の6倍もある世界一大きな島です。
北極点までは1300キロメートル、国土の8割ほどが氷に覆われています。
人が住む最北の町、カナークから犬ぞりに乗って旅をしました。
初めはちょっと緊張しましたが、乗ってみるとスーっとなめらかに滑りました。

イヌイットたちは、氷の大地で動物を狩って生きてきました。
漁業で生計をたてる人々もいますが、狩人の伝統を守ろうとする男たちもいます。

一人の狩人と一緒に白夜の海にアザラシを獲りに出ました。
ボートの上から仕留めた血に染まるアザラシの写真は一見残酷でもありますが、
ここでは動物を殺さないと生きていけないのです。

今の問題は、温暖化で水面が溶けて狩りが難しいことかと思っていましたが、
一番の問題は、国際会議で狩りを制限されていることでした。
でも彼らは言います。
「見てくれ。ここには牛も豚もいない。野菜も作れない。狩りをするしかないんだ」と・・・。

南の島カピンガマランギは38年ぶりに訪れました。
本島から日本人の船で5日間揺られて着きました。
現地では、昔と同じように、カヌーに乗り、
ワイヤーを使って、手でマグロを釣り上げているのを見ました。
都会に住む私にはとても無理です。

さらに驚いたのは、38年前に私がきたときより10メートルも海岸がせまくなっていたことです。
生活ぶりは昔と変わらずゆったりのんびりですが、3か月に一度しか本島からの船は来ません。
病気になって無線で本島に連絡しても今まで船がきてくれたことはほとんどないそうです。

病気にかかればいつ死んでもおかしくない。
10年後には島がなくなるかもしれない。
でも、この島が好きだからよそには行きたくないと、
今回私を泊めてくれたお母さんが言いました。

死ぬかもしれないという覚悟を決めているからこそ、
生きる心構えがしっかり出来ているのだと感じました。

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